2022/01/22

0.88じゃなくて0.9になった

 重要な変更がいくつかあるから0.88じゃなくて0.9にしたらしい、というSVT-AV1。
 
encoder/decoderと詳細のドキュメントも更新されているので今読んでるところですが、超解像が加わった?のかな。
なんか超解像って三菱のディスプレイのイメージがありますが、今調べると東芝のREGZAが出てきますね。
4k/8k対応するにあたってエンコーダにもその技術が入れられてきてるんでしょうかね?
と思いながらドキュメントを見てたら縦方向の解像度を落として エンコードしてでコード時に情報を復元する適な感じに書いてあります。
・・・nnediとかそれ系の話ですかね? 
あとはx264並み?(similar complexity revel)のpreset9-12(x264のveryfast相当)が追加されたみたい。
兎にも角にも遅くて使い物にならない、というのを何とかしたいのでしょうか。 

もうちょっといじってみましょう。
 
僕の環境では
・preset 8 が46fps→59fps、
・preset 5が6.3fps→13.7fps
・preset 3も2.5fps→3.0fps
となってて、順調に最適化が進んでいるようです。とくにpreset5は使ってもいいかな、と思える速度になってきた気がします

例によって2minのアニメのPVをRyzen5900X + MEM32Gでのpreset毎にエンコードした時の速度とかVMAF値とかをまとめてみました。
ただし、60fps以上はavs自体のボトルネックがあるので頭打ちなことに注意
また、オプションに --crf 22 と--hierarchical-levels 5を追加してます。(これをやるとサイズが縮む分VMAF値は0.1ぐらい下がってました
 
preset fps VMAF size Average Latency Max Latency
SVT-AV1 preset 3 2.98 97.81 31.13 72737 117000
SVT-AV1 preset 4 7.02 97.79 32.21 29653 47000
SVT-AV1 preset 5 13.68 97.82 33.08 14483 24999
SVT-AV1 preset 6 31.22 97.75 35.41 6933 15000
SVT-AV1 preset 7 49.52 97.55 37.38 3582 7000
SVT-AV1 preset 8 58.61 97.47 38.18 2015 4999
SVT-AV1 preset 9 62.43 97.45 39.48 1510 3000
SVT-AV1 preset 10 66.79 97.20 40.93 1187 2999
SVT-AV1 preset 11 70.05 97.39 42.98 949 2000
SVT-AV1 preset 12 71.80 97.33 47.59 485 1000
x264 crf20
96.18 53.12

x265 crf 18 --preset medium 34.63 97.75 41.17

x265 crf 20 --preset slower 4.25 97.83 33.59

x265 crf 20 --preset slow 14.42 97.80 35.90

x265 crf 20 --preset medium 37.76 97.32 32.27

 
x265にはtune animationも入ってます。
ちなみにhierarchical-levelをデフォルト(4)にすると↓な感じでした。
 
SVT-AV1 preset 3 2.73 97.94 33.32 40781 80999
SVT-AV1 preset 4 6.33 97.93 34.99 16153 30000
SVT-AV1 preset 5 14.08 97.95 36.47 6861 16000
SVT-AV1 preset 6 27.88 97.84 36.70 3558 9999
SVT-AV1 preset 7 47.08 97.66 38.68 1993 4999
SVT-AV1 preset 8 58.61 97.56 39.86 1092 3000
SVT-AV1 preset 9 61.11 97.53 40.91 860 2000
SVT-AV1 preset 10 68.38 97.50 42.16 659 2000
SVT-AV1 preset 11 70.05 97.45 44.30 562 1000
SVT-AV1 preset 12 73.64 97.40 48.87 281 1000
 
まぁ、参照フレームが減る分レイテンシーが下がって、その分サイズが上がるってことですね。

こうしてみると、SVT-AV1は演算能力をサイズ削減に振り切ってます。
エンコード速度が遅くなる分サイズが縮む、というのが分かりやすいです
CRFを指定してるので当然かもしれないのですが、ちゃんと同じような品質に収まってるところはすごい気がします。
x265のslowなら同じような感じに見えますが、slowerとmediumでファイルサイズが逆転してたり、画質が0.5以上違ったりとわかりにくい挙動にもなってます。
 
という感じで速度的には使えるようになってきたので、SVT-AV1もエンコード時のオプションをいろいろ増やしてくれるのをまってます。 zoneとか。
x系統ではないのでなかなか同じにはならないかもしれませんが・・・
 
ちなみに、0.91は途中でクラッシュする不具合があったのですが、22/3/26時点の最新masterでbuildすると治ってました。

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